年齢を重ねるごとに、どんどん生きやすくなっている。自由に使えるお金が増えたり、人間関係が広がってきたり、自意識が減ったり、要因はさまざまあるだろうけど、なによりも手放すのがうまくなっているような気がしてならない。仕事が速い人は、作業が速いのだとずっと思っていた。しかし、その実態は、早くやればやるほど効果が高いことを先にやっているだけで、周囲は効果が高いことしか見えていないので、だから速く見えているという仕組みなのではないか。ようするにすべてをやっていないのであって、すべてをやりきる時間などあるはずないのだし、だから優先順位をつけるのがうまいのであって、つまりは優先順位が低いものから手を放すのがうまいのだ。いちど掴んでしまったものを放すのはむずかしい。それがやっと見つけたものであれば、なおさらだ。でも、あらゆるものは、いつでも、なんどでも、手放していい。その手で、また新しいものを掴めばいい。