会社を休んで、1泊2日の小さな旅行へでかけた。たぶんひとりだったら行かない場所へ、おそらくひとりだったら泊まらない宿に泊まって、もしかするとひとりだったら食べないようなものを食べて… すごく楽しかった。
たくさん写真を撮った。今回の旅ではカメラを2台もっていって、1台は小さな軽いオートフォーカスの効くカメラ、もう1台はフルサイズのちょっと重くてマニュアルフォーカスのオールドレンズをつけたカメラで、これらを記録と研究で使い分けた。この「記録」と「研究」という使い分けが、じぶんのなかで腑に落ちた。旅先でごはんや風景を撮るのは、あとで思い出すために記憶へくさびを打つような写真で、そういう写真はいつでもポケットからカメラを取りだしてピントを合わせて撮るほうがいい。いっぽうで、そうではない写真、写真を使って考えるために撮るような写真は、やはりそのためのカメラを使うのがよいと考えた。
記録と研究の使い分けは、文章にもあてはまるように思った。日記を書くのがどうしても続かないのは、目的に沿わないカメラを取りだしているからなのかもしれない。あるいは、僕は記録には興味がないのかもしれない。