2022-08-23

会社へ行く前に髪を切ってもらった。シングルマザーの美容師さんの子どもがUSJへ泊まりがけで遊びに行くので、3日間ほどひとりで過ごせる時間ができたらしい。なにをするんですかと尋ねると、ほんとうはひとりでいたかったのに、あまりにも自由な時間がうれしくて友達に自慢して回ったら、次々と食事だの旅行だの誘われて断れずに苦しいとのことだった。人気者の苦悩。

帰り道に本屋へ寄って、滝口悠生の「死んでいない者」と「茄子の輝き」という小説を買う。まだ読んでないけど、いいタイトルだなと思う。

夕飯を買うついでに、セブンイレブンのネットプリントの機能を使って配られている、もっちょさん、という方が発行している「もたより」というフリーペーパーを印刷する。もっちょさんの顔も声も知らないのだけど、インターネット越しに書かれた、日記のような手紙のような、不思議な手触りがする手書きの文章から、人柄を想像しながら読んだりしておもしろい。自分にとってはあまりにも日常的な風景であるコンビニエンスストアの隅で、Twitterに書かれた秘密の8桁の数字をコピー機のタッチパネルに入力していると、これが日常へエラーを引き起こす裏コマンドのようにも思えてくる。その出力が、A4サイズの白黒の紙が1枚だけということも含めて。