2022-08-16

横浜DeNAベイスターズ、本拠地12連勝で球団新記録。選手たちが、みんなひとりずつ、ほんとうにかっこいい。野球を見はじめたときは勝ちとか負けとかそんなに大切なのかなと思っていたけど、勝ちにむかって真剣になっている選手のすがたや、おなじ気持ちを共有する喜びから、勝つことの価値を感じるし、野球を楽しんでいる彼らを見たくて応援したくなる。

「やがて忘れる過程の途中(アイオワ日記)」を読む。おもしろそうでずいぶん前に買ったものの、読まないまま本棚に差しっぱなしだった本。スイッチが入ってどんどん読める。大学の同級生が、本は時限爆弾だから、買ってすぐに読まなくてもいいんだよと話していたのを、いつも思い出しては勇気づけられる。アイオワ日記は、さまざまな国から30人ほどの作家たちが集まったアイオワ大学での3ヶ月におよぶ滞在プログラムに、日本からひとりで参加した滝口悠生さんによる日記。言葉の壁を越えられずに、わけもわからないことばかりが起きるなかで、かすかな理解や共感の糸をたぐっていく。日記のなかの滝口さんはひたすらに冷静だけど、それは冷たいというわけではなく、目の前のできごとを真摯に見つめているまなざしがあって、主語の大きな興奮した言葉ではなく、こういうサイズの手触りが感じられる言葉を使いながら穏やかに暮らせたらいいだろうなと思う。

葉山で買ったアレック・ソス展の図録がA6サイズの小さな本で、このくらいのかわいい本を作ってみたいなと思って、ずっと気になっていたミシン糸で中綴じしてくれる大阪の印刷所に紙のサンプルや色の見本を注文した。僕はできないこともたくさんあるけど、やりたいと思ったことなら、だいたいできてしまう。そういう小さな自信を、ちょっとだけ思い出した。