なんだかおかしいなと思っていたら、シャツのうしろとまえを反対に着ていた。そんなこと思わなくていいとわかっているのに、僕が手がけたせいでチャンスをむだにしてごめんなさいって思っちゃう。どんなに成果が微妙で、達成感もなかったとしても、向いていないと思ったとしても、また打席に立たなくちゃ。小さな背伸びを繰り返せば、やがて背が伸びていることを信じながら。努力はかならず報われるといった言説は、報われた人のポジショントークだから聞かなくていい。ほんとうに話さなければならないのは、報われなかった夜の過ごし方なのだから。好きで選んだ悪夢を、どの岸にも辿り着かないまま、ゆっくり泳ぎつづけている。