2022-07-21

夏休みに初めてひとりで映画館で観た映画「ピンポン」のサウンドトラックのクレジットを参考に、TSUTAYAでスーパーカーのアルバムを借りたのは中学一年生か二年生で、それを入口にナンバーガールやレディオヘッドなどを聴くようになり、スーパーカーも初期と後期でジャンルがかなり変わっていて、やがてテクノとかエレクトロニカと呼ばれる音楽があることを知ったりして、高校生になったら新宿のタワーレコードのいちばん上の階のクラシック音楽コーナーの隅っこにひっそりとあるNEW AGEと書かれた棚に通い、TSUTAYAに置いてないようなCDを試聴するようになる。TSUTAYAでは7泊8日・5枚で1000円のキャンペーンのときにCDをまとめて借りて、あわてて父親のコンポでMDへダビングしていた。中学生のときに買ってもらったMDウォークマンはAIWAのやつで、見る角度によって色が変わって見える玉虫色のきれいなデザインだった。そういえばMDのディスクも、プラスチックのケースにきらきら光る小さなCDのようなものが入っていて、物としての魅力があった。鎌倉にある中高一貫の男子校に通っていたので、6年間ほど、片道1時間半、往復で3時間ぐらい電車に乗っていて、そのあいだずっとMDウォークマンで音楽を聴いていた。高校生になったらiPod miniだったかも。でも、MDってなんか好きだったな。毎日、かわりばえのしない風景を車窓から眺めながら、スーパーカーとかナンバーガールを聴いていた。同じアルバムを繰り返し、何度も。

きょうはApple Musicからおすすめされたので、スーパーカーを聴きながら会社へ行った。ひさしぶりに聴いたけど、こんな曲がもう2000年とかにあったのか〜 と感慨深かった。最近は、空いてたら急行ではなく各駅停車へ乗るようにしている。べつに10分ぐらい余計に時間かかってもいいじゃんと思えるようになった。車窓から、かわりばえのしない風景を眺めながらスーパーカーを聴いていると、Bluetooth接続のワイヤレスイヤホンにもステレオミニジャックのケーブルが伸びているように感じたし、手に持ったiPhone 13 miniだって玉虫色のMDウォークマンみたいに思えてくるのだった。