寝床に入ってうとうとしていたら、そういえば取引先からメールが届いているのではと思い出して、ガバリと起き上がってメールボックスを見たら届いていた。べつに明日でもいいんだけど、今回から担当者が僕へ交代になったので、前任者よりも早く返信することによって、やる気のあるやつと思われて良い関係を築けるのではという下心もあり、すぐに返信した。社会人11年目にもなるのに、ビジネスメールの書き方なんか教わったこともないし、自分に想像のなかの会社員を降ろしてきて雰囲気でやっている。名刺の受け渡しとかも。
会社員は、仕事から属人性を排することが求められる。人に依存したシステムは、人が入れ替わる組織にはリスクになる。誰でもできるようにしておけば、分担や交代といったリソースの分散もやりやすくなる。というように建前はそうなっているけれど、現実はその仕事がどんなに細かなオペレーションにすぎなかったとしても、担当する人の小さな工夫や、性格、モチベーションが大きく関わっていて、成果の質もまったく異なるように感じる。やる人によって質が異なるなんて状態はじゅうぶんに仕事が構造化できていない証なのかもしれないが、どんなに構造化できたところで、人への依存を消しても成立するような仕事は人以外へ置き換えが可能でもあるということでもあるので、人間としてはつまんないだろうなと思う。
なにが言いたいのかというと、俺だから回ってるんだぞって思うし、僕だからうまくできなかったんだなとも思うし、浮かれたり落ち込んだりを繰り返しながら、それでたまに退職する仲間を見送ったりとかしていると、なんかちょっとうらやましくもなるし、でも会社は好きだし、仕事も好きで、まだやりたいことはたくさんあるので、いつまでも慣れない会社員をがんばってるんです、ずっと。