2022-07-02

ロイヤルホストでパンケーキを食べた。33歳にしてロイヤルホストへ訪れるのは初めてで、平野紗季子がロイヤルホストへの愛を語るエッセイを読んでから行ってみたいなとずっと思っていたから、思いがけない機会の到来に感激していた。そんなふうにはしゃいでいたことも関係していると思うが、パンケーキは大変おいしかった。焼き色がよく、ビジュアル的にわかりやすい厚さはないものの、口に含むとふっくらと弾力を感じる。そんな完成度の高いピースが3枚きれいに重なって、アイスクリームのようにドーム状に泡立てられたバターがちょこんと載る。ていねいに小瓶で運ばれてきたメープルシロップをまわしかけると、100点。メニューの写真から受けた期待を裏切らない、絵に描いたようなパンケーキ。いや、パンケーキなんて気取った名前ではなく、あえてホットケーキと呼びたいが、これから無性にホットケーキを食べたい気分になったら、ロイヤルホストへ行こうと思いました。

たとえば会社なんかで働いているとよくあるのだけど、大きなシステムのなかで、システムを構成する一員としてのふるまいを求められても、なるべく人間でいたいって思う。その人間っぽさとはどういうことかというと、ふつうに考えたらそうするでしょ、ということをするというだけのことなんだけど、なぜかできなくなる。誰かと話すとき、聞くことと話すことを同時にしている。聞くだけでなく、話すだけでもなく、聞くことによって話したいことが呼び起こされ、話したことが聞いてくれている相手に作用する。それがふつうでしょって思う。きょうは、ふつうのことが、たくさんできた。奇跡みたいなふつうが、きらめいていた。