ミーティングが19時に終わって、オリジン弁当でチキン竜田生姜焼き弁当と、チョレギサラダを買って歩いて帰る。日中の熱を貯め込んだアスファルトが、石焼きビビンバのように街を温めている。ぬるい夏の夜。とか、ぼんやり感傷に浸れるのも、エアコンの効いた部屋でぬくぬくと働けるような仕事をしているからだ。世の中を支えるさまざまな職業に引け目を感じながら、リスペクトの心は忘れないよ。それに、僕らも、それなりに疲れてはいるので、許してほしい。じっくりと遅くまでやっていたベイスターズと阪神の試合は、最後にベイスターズが逆転して勝利を収めた。グローブが体に触れたか触れないかビデオ検証していた審判が走ってきて「セーフ」のポーズをすると、優勝したかってくらいベンチの選手たちが一斉に喜んでいた。あの審判、気持ちいいだろうな。全身で感情を爆発させている人の姿には心を動かされる。野球はボールではなく想像のやりとり。システムのなかに名前を持ったひとりの人間が立っていて、想像のむこうに期待された自分の姿を追いかけている。そんな野球選手をかっこいいと思うのは、ほんとうは名前を持っているはずの会社員の僕だって、そうありたいとあこがれるからだ。