6月には異常なほどの真夏日。すこし遠くまで散歩して、写真を撮った。思い返せば2週間ほど、雨だの仕事だの、ずっとこうやって写真を撮りたくて悶々としていた。だから、思う存分にたくさんアジサイの写真を撮って満足した。写真を撮るのは、世界を捉える解像度を上げる活動だ。車道の脇に生えている名前も知らない植物が、朝日に照らされて光っている。その美しさを感じられることは、僕たちが生きているこの複雑でワンダーにあふれている世界の実感へつながっていくと思っている。なんでもないような写真を撮るのは、それがなんにもならなかったとしても、大切な時間になっている。