2022-06-12

土曜日、上野の東京藝術大学のなかにある美術館でやっている「新しいエコロジーとアート」展を観た。テクノロジーが発達したことで可能になった表現によって、現実をとらえる解像度を上げさせられるような感覚があって、すごくおもしろかった。全体的に作品を説明するテキストが充実していたのもよかった。

「新しいエコロジーとアート」展はふたつの会場で開催されていて、もうひとつの会場は東京藝術大学から10分ほど歩いたところの「花園アレイ」という建物の5階だった。

行ってみると、おそらく普通に住居として使われていた古いマンションをリノベーションしたと思われる建物で、スタートアップっぽい小さな事務所が入居していたり、1階は藝大生っぽい人たちがアトリエとして使用しているみたいで、かなりいい感じ。受付でGoogleフォームに名前と体温を入力すると、5階の3部屋は自由に出入りできるようになっていて、住居風の部屋ごとにビデオなどのインスタレーションが展示されている。黒沢聖覇さんの秩父の地層、そしてセメント業を題材にしたビデオがとてもよかった。DSLRやドローンを駆使するテクノロジーが可能にしたビデオグラフィーと音響の組み合わせ、2面のスクリーンの効果的な使い方、「花園アレイ」という謎の場所の絵画棟のような部屋の匂いもあいまって、ループ再生の最初から最後まで観た。映画もそうだけど、映像作品を観るときって、上映が体験として立ち上がってくる。映像だって、演劇と同じくらい観賞には再現性がない。こういう思いがけない体験へ出会いたくて、展示を観に行っていると思った。

そのあと、Googleマップで近くに出てきたカレー屋へ行き、キーマカレーを食べた。1日10食限定とあるけど、まだありますかと尋ねると、ぜんぜんあった。中辛でもやさしい味だった。

日曜日、姉の家を訪れた。数ヶ月ぶりに会った下の甥っ子は2倍ぐらいに大きくなっていた。上の甥っ子と近所の大学のグラウンドのまわりの遊歩道を散歩した。グラウンドでは陸上部らしき人たちが走り幅跳びの練習をしていて、それを見ながらローソンのジャスミン茶を飲んだ。上の甥っ子は人見知りが激しく、ひさしぶりに会うと叔父の顔も見てくれないのだけど、散歩のあとは僕の身体の上に乗ってくるくらい慣れてくれてうれしかった。