ひさしぶりに自転車に乗った。マンションの駐輪場に雨ざらしだったけど、タイヤの空気圧こそ抑えめだったが元気だった。風が気持ちよくて、春と梅雨のあいだのすっぽり抜け落ちた季節を走り抜ける。ずっと趣味がなくて困っていた。好きなことを仕事にしたから、趣味が仕事みたいになっていた。シャッターを切ると、それはほとんどはカメラのおかげなのだけど、思いがけずびっくりするような写真が撮れたりしたときに、自己肯定感が上がるような気がして、写真を撮るのはすごく楽しい。最近は、そんなふうに夢中になることで、人生のタイムラインがもういっぽん増えるような感覚になれるようなものが趣味で、つまり僕にとってのそれは写真を撮ることかもしれないと思いはじめてきた。