2022-03-11

きょうは、ほとんどミーティングがなかった。そこで、会社のチャットツールにちょっと離席してきますと書き込んでから、近所の川へ散歩に行ってみることにした。ワイヤレスイヤホンから流れるNHKのラジオでは震災の特番をやっていて、子どもをなくしたお母さんが天国へ手紙を届けようと、郵便局や宅配便に相談したという話をしていた。川にかかる大きな橋へたどりつくと、ただなにかするというわけでもなく、橋から川を見下ろしている人とすれちがった。季節にはすこし早いくらいの春の日射しが照らした水は、多摩川にはめずらしく透明で、川の底が見えた。さっきの人は、もしかすると黙祷していたのかもしれないと思った。もし、きょうが3月11日だったら、なにをできるようになったのかを考える。あの日、余震に怯えながらテレビを眺めていただけの自分との差分を探すことで、11年間という時間の意味を推し量る。