やっとたどりついた週末は、悪夢で6時に起床。電車を乗り継いで温浴施設へ。朝9時の開店と同時にサウナへ駆け込み、全身の水分を絞り出す。ものの30分くらいでサウナ室は満員になる。みんな疲れている。結局のところ、満員電車に乗ったおじさんたちが服を脱いでサウナ室へ集まっているだけであり、本質的にはサウナは満員電車と同じ種類の地獄である。透明人間たちが順番に水風呂へ飛び込んで、血圧を操作することで生きていることを実感する。生を意識することによって、自分の身体が見えるようになる。
数少ない、心の底から自信を持って友達だといえるような友達と話していると、ふだんの僕はほんとうに思っていることをなにも話していないということがよくわかる。ほんとうのことを話したところで、なにかしてくれると期待していないことのあらわれだ。しかしながら、愛はインタラクティブだから、はじめに心を許したものから、周囲の心は開かれていく。たとえ開かれなくてもかまわない。チャンスを得るのは、いつも許した側なのだ。