「サ道」は読んだことがあったし、ドラマも観たし、昨今のサウナブームもなんとなく知っていた… でも、実際に行ったことはなかった。いつか行ってみたいな、ととのうってどういう感覚なのか体験してみたいなと思っていたけれど、どこに行けばいいのかわからないし、連れて行ってくれる人もいないし、サウナ室の扉を開けるのはかなり勇気が必要だった。しかし、先日のタナカカツキの漫画を読んだことがきっかけで、そんなに毎日通いたくなる正体が気になってしまい、行ってみることにした。こんなご時世、感染したら… とも悩むが、朝早く人の少ないうちに行けばよいだろうという判断になった。そういう問題でもないのかもしれないが。サウナイキタイという有志?が運営している不思議なサイトがあって、調べたらわりと近いところにスーパー銭湯よりもちょっとリッチな施設があることを知る。というわけで、朝から行ってきた。
館内はバーコードの腕輪を渡されて、各所にかざすことで決済が走り、退館時に精算するというモダンなシステムであった。人手は決して少なくなく、年配の方はもちろん、昨今のサウナブームは神奈川県の片隅の施設にすら若い人でいっぱいだった。午前中でこんな感じなら、夕方とかはもっと多いのかもしれない。申し訳程度に露天風呂に浸かったあと、初サウナ室。インターネットでたくさん調べて、頭は知識でいっぱいの状態なので、なにも驚かない。暑いのはもちろんだが、顔が熱い。汗をガンガンかき、体を洗ったのち、初水風呂。心臓がドクドクする。死人が出ないか心配になる。もういちどサウナ室へ。サウナ室にはテレビがあって、老いも若いも関係なく、しょうもないバラエティ番組をいっしょに真顔で見つめている。その状況がおもしろかった。サウナ室の時計は進むのが異様に速いと思ったら、12分で針が1周する特殊な時計のようだった。2回目の水風呂、タナカカツキの漫画に出てきたように自分の身体の周囲に膜が張られたような感覚がわかった。3回目のサウナ室は12分ギリギリまで粘った。水風呂も3回目になると慣れてきて、冷たいが、驚かなくなってくる。やがて、暖かくすらなってくる。そのまま露天風呂の隣にある椅子に寝そべって、外気浴した。合法的に?全裸で外に寝転がっていると思うと笑えてきてしまう。目をつむると身体の血流を感じる。なんか、気持ちいいかもしれない…。
施設には食事処もあったが、スキー場みたいなカツカレーが1300円といった雰囲気だったのでパスして、施設の外にあるバーミヤンに駆け込み、かにチャーハンと餃子を6個食べた。楽しかった。生を感じた。身体を感じることは、生きていると感じることなのかもしれなかった。もうちょっと状況が落ち着いたら、ほかの施設も行ってみたいなあ。