オフィスへ出勤して集中して作業してたら、なんか頭いたいかも?と思って帰宅したのが水曜日。よく眠れば治るでしょと思って深く考えず、翌朝に起きたら若干の喉の痛み。出社の予定を在宅勤務へ切り替えたものの、だんだん寒くてたまらなくなり夕方に退勤、市販の風邪薬を飲んで眠る。21時に目が覚めると体温が37.5℃。やっちまった〜。YouTubeで風邪を1日で治す方法とか都合のいい情報を調べる。首を温めるぐらいしか言ってないものばかり。翌朝6時、体温が38.5℃、唾液をのみこむたびに喉が痛くてつらい。これは… アレなのか?ついに?むかしから流行りものにはすぐ飛びつかない性格だったけど、このタイミングで罹ったりする?と思いながら、こういうときどうしたらいいのかわからず検索してでてきた『川崎市新型コロナウイルス感染症・ワクチン接種コールセンター』へ電話する。朝6時半なのに、めちゃくちゃ落ち着いた男性の声。たいへんな仕事だ。抗原検査キットをドラッグストアで購入するか、かかりつけの医者で発熱外来があれば行くようにとのこと。手元に1個くらい持っておけばよかったなと思いつつ、持病の喘息で通院してる内科は9時から電話で受付なので、ひとまず手持ちのロキソニンを飲んで眠ることにする。携帯電話の契約プランのahamoについてる5分通話無料、電話とか使わないな〜と思ってたけど、いまめちゃくちゃ活用してる。ありがとう。
8時に目が覚める。体温は38.8℃。ロキソニン効かないやないかいとひとりでツッコむ。気晴らしにAmazon freshでスープやカップ麺や冷凍食品を爆買いする。ポカリスウェットも箱買い。どうせこれから1週間ぐらい出られないかもしれないし。3時間後ぐらいに届けてくれるらしい。便利すぎてやばいね現代。9時になじみの内科へ電話するも通話中。鬼のリダイヤルDDoS攻撃。やっとつながったら、受付の人のあ〜やっちゃいましたねという軽いリアクションで思わず笑ってしまう。15:30にふだんとは別の入口から入ってくださいとのこと。なんかドキドキしちゃうね。無事に予約できた安堵からなのか、ロキソニンがやっと効いてきたのか、体温も平熱で楽になる。このまま医者の前では元気になっちゃう人だったらどうしよう。さっきまで苦しかったんです、信じてください。会社のチャットに全休しますと連絡して、食器を洗ったり眠ったりしてたらAmazonがきて、配達員のおじいさんにうつさないようにマスクして受け取り。録画したテレビを観たり好き勝手に過ごしてたらだんだん体温が上がってくる。わたしたちに許された特別な時間の終わり。
かかりつけの内科はコロナ禍以降にできた新しい病院だから、発熱外来としてATMがある部屋みたいな半畳ほどの個室があり、小窓から保険証を渡したり体温計を受け取ったりできるようになっている。控えめにいって独房。あたりまえだけど看護師さんの態度もそっけない。感染症の患者ってこういう気分なのか。べつに飲み会とかも行ってないし会社でまじめに働いてただけなのに、なぜこんな目に遭わないといけないのか。人生は短い、もっとやりたいことやらないと理不尽に死んじゃう、などとBADモードな思考のまま小部屋で10分ほど待っていると、防護服を着た先生が扉を開けてくれた。「つらかったね〜」問診の先生のやさしい言葉が沁みる。初PCR検査。みんな唾液を出すのに苦労したという話を聞いていたけど、犬みたいにじゃんじゃん唾液が出てくるので一瞬で終わった。ちょっと恥ずかしい。解熱剤と喉の炎症を抑える薬をもらう。帰り道、寒くて寒くてたまらない。全身が漫画みたいに震える。帰宅して体温を測ると38.9℃。もらった薬を飲んでさっそく眠る。長い夜のはじまり。一晩中、ずっと39℃前後でキツかった。喉の痛みも広がり、ずっと口を開けて呼吸していた。
翌朝5:30に目が覚めると、体温は37.0℃。牛乳かけたフルーツグラノーラをちびちび食べて薬を飲む。山は越えた感じ。ただ頭は重いのですこし眠る。お昼ごろ、きのう検査をした内科から電話がかかってくる。「あのね、陽性だったよ」「あっ そうなんですか〜」合格発表みたいな気分。これでコロナじゃなかったらなんなのか。QRコードを読み込んで『神奈川県陽性者登録窓口申請フォーム』に入力。フォームはkintoneで作られていた。そのあとLINEで神奈川県と友だちになり、これから朝に異常ないか聞いてくれるらしい。職業柄このあたりのユーザー体験が気になって改善したくなる。県職員になればいいのだろうか。とりあえず職場の上長に社内のチャットで陽性を報告。それから、恋人に報告。気を遣ってくれてうれしい。いま生きる希望は恋人の存在しかない。このまま症状が落ち着いてくれたらいいのだけど。