2022-07-25

8時に出社して、20時に退勤。今週はやることがいっぱいある。13階のオフィスって、眺めがよくて好きだ。とくに夕焼けがきれいで、ミーティング中もそっちのけで窓の外を見てしまう。長いあいだ休んでいた同僚から退職の連絡があり、すこし迷ってから「教えてくれてありがとう」と返信した。いつもどこかで気にかけていたので、元気でいるならそれでよかった。

寝つきはいいのだけど、4時間とか5時間ぐらいで目が覚めてしまう。昼ごはんといっしょにレッドブルを飲む生活って、やっぱりおかしい。もしかすると睡眠に課題があるのかもしれないと思って、市販の睡眠改善薬を試してみた。風邪薬を飲んだあとによくある、すとんとした眠気を期待していたのだけど、実際はそんなに気持ちのいいものではなく、飲みはじめてから1時間ほどかけてだんだん頭が重くなっていき、さらに手足の感覚が末端から鈍くなっていくなかで、ゆっくりと身体が睡眠へ乗っ取られていくような仕組みだった。それでも、やっぱり5時間で目が覚めてしまう。効果が残っているのか、頭の重さが遠くにある。しかし、よく寝たなという感覚はひさしぶりにあった。この薬を今夜も飲むかというと、これが習慣になったら怖いので飲みませんが、アイマスクとか、遮光カーテンとか、ヤクルト1000とか試してみたらいいのかなあ。

2022-07-24

33歳って、もっと大人だと思ってた。大人っていうのは、もっと自分の力で立っていて、意思を持って道を切り開いているようなイメージで。20代は、なにをしていたのか、あまり思い出せない。おそらく、目の前の仕事と、その仕事をやってる自分との関係について、悩みつづけていたのではないかと思う。うまくいかないことばかりだったけど、転び方だけが器用で、なんとかなっていた。うまくいかないなりの、やりすごしかただけがうまくなっていた。僕は、なにがしたいのか。なにをしてほしいのか。それを伝えていいし、やりたいようにやっていいし、わがままでいても、そのせいで傷ついてもいいということ。こうやって言葉にしてしまうと、33歳には思えないようなこと。ずっと辛かったんだ。あ、いいんだ、と思って、世界が変わって、ちょっと泣いた。

2022-07-21

夏休みに初めてひとりで映画館で観た映画「ピンポン」のサウンドトラックのクレジットを参考に、TSUTAYAでスーパーカーのアルバムを借りたのは中学一年生か二年生で、それを入口にナンバーガールやレディオヘッドなどを聴くようになり、スーパーカーも初期と後期でジャンルがかなり変わっていて、やがてテクノとかエレクトロニカと呼ばれる音楽があることを知ったりして、高校生になったら新宿のタワーレコードのいちばん上の階のクラシック音楽コーナーの隅っこにひっそりとあるNEW AGEと書かれた棚に通い、TSUTAYAに置いてないようなCDを試聴するようになる。TSUTAYAでは7泊8日・5枚で1000円のキャンペーンのときにCDをまとめて借りて、あわてて父親のコンポでMDへダビングしていた。中学生のときに買ってもらったMDウォークマンはAIWAのやつで、見る角度によって色が変わって見える玉虫色のきれいなデザインだった。そういえばMDのディスクも、プラスチックのケースにきらきら光る小さなCDのようなものが入っていて、物としての魅力があった。鎌倉にある中高一貫の男子校に通っていたので、6年間ほど、片道1時間半、往復で3時間ぐらい電車に乗っていて、そのあいだずっとMDウォークマンで音楽を聴いていた。高校生になったらiPod miniだったかも。でも、MDってなんか好きだったな。毎日、かわりばえのしない風景を車窓から眺めながら、スーパーカーとかナンバーガールを聴いていた。同じアルバムを繰り返し、何度も。

きょうはApple Musicからおすすめされたので、スーパーカーを聴きながら会社へ行った。ひさしぶりに聴いたけど、こんな曲がもう2000年とかにあったのか〜 と感慨深かった。最近は、空いてたら急行ではなく各駅停車へ乗るようにしている。べつに10分ぐらい余計に時間かかってもいいじゃんと思えるようになった。車窓から、かわりばえのしない風景を眺めながらスーパーカーを聴いていると、Bluetooth接続のワイヤレスイヤホンにもステレオミニジャックのケーブルが伸びているように感じたし、手に持ったiPhone 13 miniだって玉虫色のMDウォークマンみたいに思えてくるのだった。

2022-07-19

仕事のための仕事みたいなことをしている時間は、ほんとうに疲れる。だから、むりやりにでも意義を見出そうとする。あらゆるできごとはつながっている。詩があれば、どんなに遠くにあるものも、すぐに近くへ引き寄せることができる。最近の僕の口癖は「チャンス」で、これはチャンスなんですよ、という出だしで話しはじめさえすれば、なんにもならないように思っていたタスクも、逆境も、じつは別の課題を解決する糸口へとつながって見えてくる。だから、ほんとうにチャンスになる。僕は、詩を持っていることをかなりアドバンテージに感じている。そして、こんな工夫が、いつか限界を迎えることもわかっている。本質的な課題の解決へ正面から取り組む時間を割けないのなら、それ以外のことは、もうそろそろやめてもいいのではないかと思う。というか、疲れている。

斉藤倫の「新月の子どもたち」をすこしずつ読み進めている。詩人の小説。すこしぶあつい本だけど、文章の手ざわりが軽いからなのか、本も軽く感じる。きれいな装丁に、美しい装画。すこしずつ読み進めるのが楽しいと思える小説に出会えて、うれしい。

2022-07-18

子育ての大変さは、ひとりぼっちの僕にとっては数ステップ先の話で、まったく想像もつかない。もしかすると数ステップ先までたどりつかないまま、経験しないで終わるのかもしれない。それでも、姉や、会社の先輩のご家族とご一緒させてもらう機会があると、想像もつかなかった大変さの片鱗に触れることがあって、ありがたいなと思う。たった数時間の経験でわかったような気になるのもおこがましいが、子どもはひとりずつ多様な個性を持っていて、それはいわゆる一般化された子どもの印象とはかなり異なるし、マニュアルみたいに全員へ効果的な対応の方法が決まっているわけでもない。そんな当たり前のことすらも、触れなければ想像がつかなかった。想像できなければ、狭すぎる「知っていること」にあてはめて解釈して、たくさんのことを誤解してしまっていたのだろう。やさしさとは、つまり想像力で、想像するには、知る必要がある。もしかして経験しないかもしれないからこそ、同じ場所を共有する人たちのことを、もっと知りたいと思う。

2022-07-16

凸版印刷の本社ビルの1階でやっているグラフィックデザイナーのポスターの展示で、田中良治による裏にライトボックスを仕込んだ光るポスターを見た。ふだん紙に印刷された面に反射した光を見ることで色を認知しているわけだけど、ポスター自体が発光していると感覚がバグるというか、ディスプレイみたいなのに紙という、スクリーンと印刷の中間のような不思議な佇まいがあって、おもしろかった。

飲み込むときに喉につかえるのが怖くて食べるのが楽しくないんだよねと笑って話すと、友達は真顔になって、耳鼻咽喉科は西洋医学だから大丈夫と言うのかもしれないけど、調子が悪いのは事実なので、鍼や漢方など東洋医学の方面からアプローチして体調を整えるべきなのではと助言をしてくれた。それって、身体が思い通りに動かないということでしょう。喉がつかえるなんて聞いたことがないけどさ、精神的ななにかが起こっている可能性もあるんじゃないの。ちょっと休んで旅行にでも行ってきたほうがいいよ。東洋医学のくだりに友達っぽさがあって笑ってしまったけど、そのやさしさがうれしくて、会えて話せてよかった。

2022-07-15

出社する前に美容室へ行った。通っている美容室は、朝9時からやってくれるのでありがたい。髪を切ってもらったあと、手持ち鏡ですっきりした後頭部を見せてもらいながら「仕事へ行きたくなりましたか?」と尋ねられてドキッとした。

周囲の人たちの退職が重なって気持ちが削がれる。人材の流動性が高いのは悪いことではないと思うけれど、残された者にとってはこの場所が見限られたような気にもなるし、この場所でできなかったことが他の場所でできるのなら、なぜこの場所ではできなかったのか、できるように手伝う方法はなかったのか、考えなくていいことを考えてしまう。そんなふうに僕が考えるみたいに、ほんのすこしでもいいので僕のことも考えてくれる人がいねーかなとも思う。僕がだれかにしてほしいことを、僕はだれかにしてばかりだ。

2022-07-12

なんかしらないけどメチャクチャ疲れて、帰宅してラーメンと唐揚げとアイスクリームとスナック菓子を食べた。あたまもからだもバカになっている。次から次に課題が押し寄せて、どれもきちんと解決できないまま次の課題へ飲み込まれていく。というか今日はもう途中から諦めていた。疲れた、というのが正直な気持ち。

孤独にも良い孤独と悪い孤独があって、他者へ依存しないのは良い孤独だけど、自己愛が強すぎて他者を必要としないのは悪い孤独。いや、孤独に良いも悪いもないか。ただひとりでいるというだけだ。手を伸ばしたら触れられるような距離にいつも誰かがいたら、こんな考え方も価値観も変わるのだろうか。あまりにもひとりでいる時間が長すぎた。しかし、こんなのはまだ序章に過ぎず、これからも延々にひとりの時間がつづくのかと思うと恐ろしい。

2022-07-10

参院選の結果は、まあそうだろうなという感じで、驚きもない落胆があった。投票率がたったの52%とはいえ、結局のところ国民が考えていることが定量的に反映されたのが国会議員の割合なので、世の中を選挙で変えるのではなく、世の中が変わったことを選挙で証明しないといけない。そう考えると、ただの会社員のじぶんのようなものが、選挙以外に社会へコミットするためにどんなできることがあるのかというと… まずは、もっと知ること。それから、知ったうえで、ふだんの生活のなかで、もっとも良い選択肢を選びつづけることで「投票」していく必要があるのだろうと思う。それはそれとして、今回はめずらしく自分が票をいれた候補が出口調査で当確ラインにあって、僕がちまちまと投票所へ運んだ民意にも意味があったのだと、改めて実感できた。

2022-07-09

リヒター展の入口でチケットを買っていると、隣の窓口でも制服を着た高校生がチケットを買っていて、学生証を忘れたようだった。「すみません、学生証を忘れてしまって」「それでは生年月日を教えていただけますか」「2004年の、5月23日です」おっ、誕生日が僕と同じだ。すごい偶然じゃない?思わず声かけようかなと思ったけど、隣で個人情報を聞かれてたの嫌だろうなと思って、そのまま立ち去ったけど。しかし、2004年かあ。15歳差じゃん… と思いながら観た展示は、すごくよかった。ピントが合っていない写真を見ながら絵を描いたり、過去に描いた絵をピントをぼかして写真を撮ったりしている作品があって、かっこいい。ミュージアムショップで《不法に占拠された家》と《花》というタイトルの絵のポストカードを買った。

竹橋の駅の上にある、いつも通り過ぎていた毎日新聞の本社のビルに「レストラン街」と看板があったので入ってみた。土曜のお昼前は誰もいなくて、お店も半分くらい閉まっているし、開いている店にも人が見当たらなくて入りづらい。ひっそりと営業しているスターバックスで冷たいチャイティーラテを飲んだが、客は僕のほかに熱心にスマホを見ている女性と年配のグループが談笑しているくらいで、こんなガラガラなスタバあるんだという相当な穴場を見つけてしまった。これから東京国立近代美術館へ行ったあとは、ここで休憩しようと思った。

スターバックスといえば、今年の誕生日に姉からスタバのeギフトを3000円分もらったのだった。ギフトカードの券面には「いつも子どもたちにありがとう!」と書いてあった。甥っ子たちにトミカを買ったり、いろいろお祝いしているので、そのお返しなんだと思う。うれしい。ただ、僕の性格的に勇気を出さないとスターバックスの店内へ入れないので、なかなかeギフトを使う機会がない。あと2500円分、コーヒーにして5杯ほど、9月30日までに使い切らないといけない。語呂がよくて覚えているから辛うじて注文できるチャイティーラテ以外も、せっかくなのでがんばって飲んでみよう。