2022-11-10

もう1年半くらい通っている、会社の先輩から紹介してもらった美容師さんに髪を切ってもらう。店内に客が僕しかいないのもあって、けっこう踏み込んだプライベートなこともじゃんじゃん話してもらうのでドキドキする。誰に対してもこんなふうに話すのか、僕だからなんでも話してくれるのか。大切な先輩が大切にしている美容師さんということもあり、僕が話を聞くことですこしでも心労が軽減されたらいいなと思いつつ、べつにカウンセラーでもないのだし、考えすぎだろうとも思う。

オフィスでインフルエンザのワクチンを接種する。いい会社なので自己負担なしで接種してもらえる。あたりまえじゃないよほんとに、ありがたいよ。不活化されたインフルエンザのウイルスが左腕にいる。そのまま昼休みも兼ねて、お気に入りの立ち食いそばへ歩く。アスファルトに塗られた白線が消えかかっている。車や人の通りの多さが横断歩道の劣化として記録されている。世界の実感は、かすかな痕跡の集合だ。ウイルスは、誰かからやってきて、また誰かへ渡り歩く。そうやって通過されただけの、ネットワークのひとつになるような感覚。僕の身体に残された抗体は、果てしない新型コロナウイルスの旅を記録している。歩行者信号が変わるまでのすこしのあいだ、そんな世界を想像していた。

2022-10-30

見知らぬ番号からの電話にでると、やたら自然すぎて逆に気味が悪い合成音声が一方的に話しかけてくる。なんかよくわからないけど神奈川県がLINEと連携してAIが電話してきてるらしい。SFか。「はい、か、いいえ、でお答えください。パルスオキシメーターはありますか?」「いいえ」「体温は37.5℃以上ですか?」「いいえ」「ありがとうございました」会話というよりはコマンドラインインターフェース。たしかに人間がかけてきたとしても同じような会話だろうし、これで保健所の業務が軽減されているならいいよね。

ずっと、命の数が「人数」で数えられることに違和感を感じていた。数千人や数万人のなかに、名前をもったひとりがいることを、「人数」は表現できていないと思っていた。いま、感染者のひとりとしてカウントされる立場になって、こんなふうにシステムによって自動で処理されてみると、もはや「人数」なんてそんなに意味がある数字ではないのだと、いまさらながらに気がついたりもした。

あらためてインターネットの知り合いの人たちがそれぞれの日記に書きつけている新型コロナ罹患体験を読み返してみても、二晩ほど高熱でうなされるぐらいで済んだ僕のケースはかなり軽症のようだった。平熱に戻ったあとはそのままで、すこし鼻水がでるくらい、あとはひきつづき喉が痛くて声がちょっとダンディになっている。でも、それも治りつつある。食欲もあるし、味覚もおかしいとは思わない。もう週明けから在宅で働ける。行楽日和の週末、外出できない退屈な時間を潰せるようなものは身の回りに無限にあるけれど、それらのどれもやる気が起きず、ひたすら眠ったり、恋人と何時間も電話をしていた。

2022-10-29

オフィスへ出勤して集中して作業してたら、なんか頭いたいかも?と思って帰宅したのが水曜日。よく眠れば治るでしょと思って深く考えず、翌朝に起きたら若干の喉の痛み。出社の予定を在宅勤務へ切り替えたものの、だんだん寒くてたまらなくなり夕方に退勤、市販の風邪薬を飲んで眠る。21時に目が覚めると体温が37.5℃。やっちまった〜。YouTubeで風邪を1日で治す方法とか都合のいい情報を調べる。首を温めるぐらいしか言ってないものばかり。翌朝6時、体温が38.5℃、唾液をのみこむたびに喉が痛くてつらい。これは… アレなのか?ついに?むかしから流行りものにはすぐ飛びつかない性格だったけど、このタイミングで罹ったりする?と思いながら、こういうときどうしたらいいのかわからず検索してでてきた『川崎市新型コロナウイルス感染症・ワクチン接種コールセンター』へ電話する。朝6時半なのに、めちゃくちゃ落ち着いた男性の声。たいへんな仕事だ。抗原検査キットをドラッグストアで購入するか、かかりつけの医者で発熱外来があれば行くようにとのこと。手元に1個くらい持っておけばよかったなと思いつつ、持病の喘息で通院してる内科は9時から電話で受付なので、ひとまず手持ちのロキソニンを飲んで眠ることにする。携帯電話の契約プランのahamoについてる5分通話無料、電話とか使わないな〜と思ってたけど、いまめちゃくちゃ活用してる。ありがとう。

8時に目が覚める。体温は38.8℃。ロキソニン効かないやないかいとひとりでツッコむ。気晴らしにAmazon freshでスープやカップ麺や冷凍食品を爆買いする。ポカリスウェットも箱買い。どうせこれから1週間ぐらい出られないかもしれないし。3時間後ぐらいに届けてくれるらしい。便利すぎてやばいね現代。9時になじみの内科へ電話するも通話中。鬼のリダイヤルDDoS攻撃。やっとつながったら、受付の人のあ〜やっちゃいましたねという軽いリアクションで思わず笑ってしまう。15:30にふだんとは別の入口から入ってくださいとのこと。なんかドキドキしちゃうね。無事に予約できた安堵からなのか、ロキソニンがやっと効いてきたのか、体温も平熱で楽になる。このまま医者の前では元気になっちゃう人だったらどうしよう。さっきまで苦しかったんです、信じてください。会社のチャットに全休しますと連絡して、食器を洗ったり眠ったりしてたらAmazonがきて、配達員のおじいさんにうつさないようにマスクして受け取り。録画したテレビを観たり好き勝手に過ごしてたらだんだん体温が上がってくる。わたしたちに許された特別な時間の終わり。

かかりつけの内科はコロナ禍以降にできた新しい病院だから、発熱外来としてATMがある部屋みたいな半畳ほどの個室があり、小窓から保険証を渡したり体温計を受け取ったりできるようになっている。控えめにいって独房。あたりまえだけど看護師さんの態度もそっけない。感染症の患者ってこういう気分なのか。べつに飲み会とかも行ってないし会社でまじめに働いてただけなのに、なぜこんな目に遭わないといけないのか。人生は短い、もっとやりたいことやらないと理不尽に死んじゃう、などとBADモードな思考のまま小部屋で10分ほど待っていると、防護服を着た先生が扉を開けてくれた。「つらかったね〜」問診の先生のやさしい言葉が沁みる。初PCR検査。みんな唾液を出すのに苦労したという話を聞いていたけど、犬みたいにじゃんじゃん唾液が出てくるので一瞬で終わった。ちょっと恥ずかしい。解熱剤と喉の炎症を抑える薬をもらう。帰り道、寒くて寒くてたまらない。全身が漫画みたいに震える。帰宅して体温を測ると38.9℃。もらった薬を飲んでさっそく眠る。長い夜のはじまり。一晩中、ずっと39℃前後でキツかった。喉の痛みも広がり、ずっと口を開けて呼吸していた。

翌朝5:30に目が覚めると、体温は37.0℃。牛乳かけたフルーツグラノーラをちびちび食べて薬を飲む。山は越えた感じ。ただ頭は重いのですこし眠る。お昼ごろ、きのう検査をした内科から電話がかかってくる。「あのね、陽性だったよ」「あっ そうなんですか〜」合格発表みたいな気分。これでコロナじゃなかったらなんなのか。QRコードを読み込んで『神奈川県陽性者登録窓口申請フォーム』に入力。フォームはkintoneで作られていた。そのあとLINEで神奈川県と友だちになり、これから朝に異常ないか聞いてくれるらしい。職業柄このあたりのユーザー体験が気になって改善したくなる。県職員になればいいのだろうか。とりあえず職場の上長に社内のチャットで陽性を報告。それから、恋人に報告。気を遣ってくれてうれしい。いま生きる希望は恋人の存在しかない。このまま症状が落ち着いてくれたらいいのだけど。

2022-10-18

もし、ひとりのさみしさが終わったとしても、また別の種類のさみしさがはじまるだけだと思っていたし、実際のところそうだし、だから死ぬまでずっとなんらかのさみしさを感じているのだろうけど、しかし「ひとり」をやめたことが無駄だったのかというと、そうではなかった。数ヶ月前は、そういうさみしさから出発して、さまざまなことを考えていた。考えることで、じぶんをかたちづくっていた。いわば、さみしさとは、よりどころだったのだ。

僕は、いつかの僕とはすっかり別人になっている。そして、それは僕が望んだことだ。さみしさを、ついに手放せたのだから。

手放すというか、正確には、さみしさ、などということは、ほんとうはどうでもよかった。そんなことよりも、誰にとっても等しく与えられた短い時間のなかで、もっと大切にしたほうがいいものがあった。いまは、そのきらめきに気がつくだけでも、「ひとり」をやめることには意味があったと思っている。

2022-10-11

三連休明けの出社。秋晴れの気持ちいい天気で、気分はよかった。

よく食べていたセブンイレブンの照り焼きチキンのサンドイッチは、鶏肉が板ガムくらい薄くなって、ふたつある片方にはレタスも入ってなかった。わかりやすく原材料や製造コストの高騰を感じるとともに、物価の値上げって同じものの価格が上がるわけではなく、品質を落としたうえで値上げしてるんだよね。誰も悪くないし、それが努力なんだとしても、こんなふうにさみしさを感じるくらいなら食べないほうがましなようにも思える。思い出のなかの照り焼きチキンのサンドイッチを大切にしたほうがいいような。

僕はいつも、ここではないどこかへ行く途中だと思っていた。いつかどこかへ行くために、仮の場所を借りているのだと思っていた。仮だから、満足できなくてもかまわない。そう考えれば、どれだけ足りなくても、こんなところにいることが不本意だとしても、受け入れられるような気がした。そういうやりすごしかたが、そろそろ効かなくなっているように感じる。ここではないどこかなんて、どこにもないということに、だんだん気がつきはじめている。

2022-10-10

ファミリーマートの豚まんがおいしいので恋人に食べてもらいたかったけど、店員さんから豚まんだけまだできてないんですよねと言われる。ショック。目の前のガラスケースのなかに入ってる豚まんはなんなのか。温め中なのかな。しかたがないので肉まんをふたつ買う。買ったあとで、よく見たらCoCo壱番屋とコラボしたカレーまんや、モスバーガーとコラボした照り焼き肉まんみたいなおいしそうなやつもあることに気づく。こっちのほうが喜んだかな〜。だいたいおなじようなものだろうし、まあなんでもいいとは思うんだけど、でもこんな機会、もう二度とないかもしれないじゃん。だから、アイスも買う。どのアイスを買って行ったら喜ぶかなあって悩みながら。ハーゲンダッツはやりすぎだよね。クレープとかいいんじゃない。ペットボトルの水と、アイスがふたつ入ったコンビニのビニール袋に、店員さんによってほかほかの肉まんがふたつ投げ込まれる。なんでそんなことするの、アイスが溶けちゃうじゃん。ビニール袋から取り出した肉まんを、ひとつずつ上着の左右のポケットにしまいながら、すこし早足で家までむかう。

2022-10-09

眠る前にすこしだけソファで居眠りしてしまい、毛布にくるまってきちんと眠ろうとしたら眠れなくなってしまった。しかたないので日記を書きながら眠くなるのを待つ。幸いにもあしたは休みだ。

ずっと楽しみにしていたキングオブコントはリアルタイムで観られなかったので、ネタバレを見ないようにTwitterを避けつつようやく録画を観たのだけど、なんだかあんまり笑えなくて、というよりキツくなって、途中で観るのをやめてしまった。いわゆる賞レースはこれまで欠かさず観ていたし、自分のことをすこしはお笑いが好きなほうだと思っていたので、ちょっとショックな出来事だった。同性どうしがキスするとか、セーラー服にブリーフを履いたやばいキャラクターで笑うみたいな、踏んだら一瞬で冷めてしまう地雷が自分のなかで増えているのかもしれない。おもしろいというのは送り手と受け手が協力して成立するインタラクティブなものなので、それがどんなにおもしろいのだとしても、おもしろがれなくなったらおもしろくないのだろう。

無水ポトフ専用機と化していたホットクックで、勝間和代のブログを参考にさつまいものポタージュをつくって食べたらおいしかった。これからの季節、スープをつくって食べていくのがいいと思う。レパートリーを増やしたい。最近食べておいしかったものといえば、だいぶ遅い夜に新宿を歩いていて、いろんな飲食店が22時で閉めているなかでひっそりとやっていた謎のチェーン店の定食屋で食べた鯖味噌定食。味噌汁もおいしかった。渋谷にもあるらしいので会社帰りに寄ろうかな。コンビニでごはんを買うのをやめたくて、定期購入で数食分まとめて届く冷凍された弁当をためしに買ってみた。味はおいしくなくもないという感じだし、高いうえに量が少なすぎる気がしなくもないが、ごはんだけ炊いて冷凍しといて平日の夜に帰ってあとは寝るだけみたいなときの夕食のおかずとして、コンビニで間に合わせるよりはいいかもしれない。自分より忙しい人はたくさんいて、そういう人たちですら自炊していると思うのだけど、理想までとはいえずとも限られたリソースのなかで最大限よい選択肢を選べたらと思う、いまはそれでいいと思う、平日の夜ごはんのことに限らずなんでもそう思う、そういうマインドが食事すらも支配している。

川内倫子に、野口里佳と、東京で気になる写真展がいくつか開催されているので観にいきたいな。来週あたりいこうかな。ぼんやりと日記を書いていたら眠くなってきたので、また毛布へ戻ります。おやすみなさい。

2022-09-30

昼ごはんは電子レンジで茹でたBASE PASTAに、ピエトロのペペロンチーノのパスタソースをかけたもの。夕飯は冷凍していた白米に、無印良品のレトルトだけど冷蔵庫で冷やして食べるグリーンカレーと、セブンイレブンの豚汁。Twitterを眺めていると秋晴れで気持ちのいい天気だったらしいが、ごみを出すくらいしか外へ出ないままに夜。

おなじ年齢の野球選手を見ていると、なんとなく自分を重ねてしまう。会社にスタメンみたいな仕組みがあったら打順は何番かな〜とか。そもそもスタメンに入れなくて、ここぞというところで期待されて登場する代打?そんなに期待なんかされてなくて犠牲バントをしっかりこなして他の選手の塁を進める役?というか、いま試合に出場できてるのかな?

このメンバーで働ける時間って思ったより限られていて、チームも個人もずっと成長しないといけなくて、求められる役割も必要な成果も変わってきて、それでもきちんと打席が回ってくるだけ野球のほうが優しいだろうか。野球をモチーフに例え話をやりはじめたら本格的におじさんになりはじめていないだろうか。

2022-09-29

きのうの夜は、眠る直前まで電話をしていた。照明を消してベッドに横たわりながら話をしていると、隣に恋人がいるみたいだった。目が覚めて、風呂に入って、髪を切りにいく。平日の午前9時から髪を切りにくる客なんて僕くらいで、僕たちのほかに誰もいないこともあって、お世話になっている美容師さんはいろんなことを話してくれる。隣の部屋でバルサンが炊かれていたこと、そのあとベランダに虫が出たけど怖くて殺せなかったこと、こういうときは男性と暮らしていると便利なのになと思ったこと、数年前に離婚したこと、最近なんと彼氏ができたこと、LINEの既読スルーで彼氏の機嫌が悪くなったが、こっちは仕事もしてるし子どもも育てていて忙しいのだから返事できるわけないのに、など。みんな恋愛をやっているし、日々の暮らしは大変だ。

こざっぱりしてもらったので自己肯定感が上がり、ひとりでスターバックスでコーヒーを飲むのも平気です。誕生日に姉からもらった利用期限が明日までのeギフト、最後の1杯に甘いクリームが載ったモカをいただいた。おいしくて、ほっとした。姉ちゃんありがとう。オフィスへ移動して、パソコンをカチャカチャやっていたらあっというまに夜。昼ごはんはサブウェイの照り焼きチキンのサンドイッチ、夕飯はセブンイレブンの焼鳥とノンアルコールビール。

2022-09-28

きょうも在宅勤務。昼ごはんは電子レンジで茹でたBASE PASTAに、エバラの「プチッとうどん」のジャージャー麺のたれをかけたもの。夕飯はセブンイレブンでキーマカレーを買ってきて食べた。

先日のAmazonのタイムセールの機会に買った、SynologyのNASキットが届いたのでセットアップした。あわせてWestern Digitalのハードディスクも8TBを2つ購入。NASキットにはスロットが2つあるので、RAID1で構成して1台が壊れても片方が生きていればデータを復旧できるように設定した。大事なデータのバックアップを主目的としつつ、iPhoneやiPadなどのストレージは小さくても意外と問題なかったので、デバイスをまたいだ共有フォルダみたいに使えたらいいな〜と思って。Google DriveやDropboxに課金してもいいのだけど、機器の故障のリスクやランニングコストを差し引いても、クラウドよりは安いしローカルネットワークなら速いのかなあと考えたが、どうなんだろう。

NASを組むのは初めてなんだけど、Webブラウザから接続するとOSっぽいGUIでファイルを操作できたり、写真をGoogleフォトっぽいUIで整理できる機能とか、オフィスっぽいツールやチャットツールまであったりして、ファイルサーバーというよりは小さなGoogle Workspaceを自宅に据え置くみたいな雰囲気があっておもしろかった。